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晴天の空 

「はやくしろよー!」
窓の外から声が聞こえた。
「あ、待ってくださーい!もう少し、、、」
僕は最後の点検をする。ちゃんと細部をくっ付けておかなければ空中で分解してしまう恐れがある。
せっかく、初めて自分ひとりで作ったのに(嘘、本当は今外から声が聞こえる友達に手伝ってもらった。でも大人の手が入らないで作りきったのは初めて)空中分解して部品がなくなってしまうのは大変困る。
特に発射するのには特殊な部品を使う。
これは正直手作りをするのは骨が折れる。前は近所の大学生のお兄さんに作ってもらったがそのお兄さんは今は大学を卒業するため、そして就職するために時間がなくなり、最近顔さえ見ていない。
これはそのお兄さんが書いてくれたつくり方を見て一つ年上の友達と一緒に作ったものだ(一部その友達が変更した部分もある)。



「まだかよー!あーつーいーーー!」
外でその友達がわめいている。
「ちょっと待って!一応修理用に」
「そんなん、必要ない!オレたちのロケットが壊れるわけないだろ!!!」
どこからそんな自信が沸くのだろう。彼はいつも自信にあふれている。
僕は彼にそう言われると『そうかも、、、』と心の隅で思ってしまうのだがそれに流されてしまうと何故だかそうはならないのが常である。
用心を怠るといつも失敗する。
反対に用心していれば成功するのだから用心はすべきである。いや彼が用心しないのだから僕が彼の分まで用心せねばとこの頃は考えるようになった。




彼との出会いは鮮明だった。
僕が通っている学校に転校してきたのだ。
転校してきた初日、彼はとっても不機嫌な顔をしていて。正直怖かった。しかもその日、一日僕のことをずぅっと凝視しっぱなし。
その様子を見て、先生も「じゃあこの子の面倒、見てあげて」と僕を指名するし。
あぁ、ついてない!と思っていたらそうでもなかった。
僕がロケットの本を見ていたら「お前、そういうの興味あんの?」って聞かれて「そうだよ」と言ったら「ふーん」と興味なさそうにされてむっとした僕はどれだけロケットがすばらしくすごいものなのか話して聞かせた。
が話しているうちに、彼の方がロケットの知識があることに気づいてしまった。それから僕の片思い(男同士でそれは可笑しいかな?)っていうのが始まった。
僕はことあるごとに彼にロケットについての意見を聞いた。最初はちょっと僕のことを煙たそうにしていたけれどそのうち彼の眉間から皺はなくなっていって。
決定打はこのロケット製作だった。
夏休みに僕らは自由研究にロケットを飛ばすことにしたのだ。
今日は先生に僕らの作ったロケットが飛ぶところを見せてその自由研究の完成度を見てもらうのだ。


「お待たせしました!ごめんなさい、もたもたしてて」
「もたつき過ぎ!お前ほんっとうに慎重なんだな。」
汗を拭いながら彼はそうぼやいた。
「エドワードさんが慎重じゃなさ過ぎなんですよ」
僕はその様子をくすくすと笑いながらこう答えた。
「あ、計測の」
「それは先生が用意しておいてくれるってさ。ほら丁度体育で砲丸投げが始まるだろ?だからその用意も兼ねて校庭に白線引いてくれるってさ。」
「そっか」
そういえば、今日の帰り際に彼と先生が話しているのを見たような気がする。
「しかし、先生もめんどーなこと言いやがる。一回帰って機材を持ってきて放課後飛ばせなんてさ」
「しょうがないよ。放課後じゃないと校庭は空かないし、なにより機材が高価なものだもの。」
「ちぇーっ!」
そう言うと彼は頭の後ろで腕を組んで空を見上げた。
「晴天だなー!!」
そう叫んだ。
「ロケット、遠くまで飛ぶといいですね」
「飛ぶに決まってるだろ!なんたってオレがデザインしてお前が作ったんだから!」
にんまりと、そしてそのことが当然だという表情で彼は宣言した。


「よし!ハイデリヒ、学校まで競争だ!」
「えぇ~!酷いよ、エドワードさん荷物持ってないじゃないか!」
既に駆け出した彼の後姿にそう叫びながら僕は荷物を自転車のかごに入れ、ロケットの発射台を荷台に括りつける。
「へっへ~ん」
彼は自分の勝ちを確信して得意げにそんな声をあげている。
「でも、僕は自転車だもんね」
かしゃん、と僕は自転車のステッパーを上げた。
小脇にロケットを挟み込んで、彼の後姿を目指してペダルを踏み込んだ。







晴天の空の下
僕らはロケットのように
飛び出して行った





設定

エドワードさん
小さいころに大病を患い、学校入学が一年遅れた。しかし体が小さいためそれと気づかれず(それは本人にしてみればなんとも屈辱的なもの)。
転校してくるまでは母親と弟と共に田舎で暮らしていたがエドワードの病気を完治させるため都会の病院に通院させようと今まで単身赴任していた父親のところにやってきた。父親はエドワードが小さいころから単身赴任を繰り返し、あまり家にいなかったため親子の絆がちょっと、、、。父親は一方的にエドワードを溺愛しているがエドワードはかなり冷たい。
弟は兄と共に行きたがったが、生まれつき気管支が弱くまた実家から離れられない母親の寂しげな顔に引き止められた。
ハイデリヒが技術者タイプなのに対してエドワードは研究者タイプで机の上で理論をこねくり回していることが多かった。


アルフォンス・ハイデリヒ
エドワードより一つ年下の同級生。かなりのロケットマニア。ニュースでロケットが飛ぶと聞けば見に行こうとして学校をエスケープするし、ロケットの打ち上げが失敗すると「あぁ、ロケットがかわいそう、、、」と涙ぐんでしまうちょっと変わった子。
近所にそういうのに詳しいお兄さんがいてそこからロケットの知識を仕入れていた。両親と父方の祖母、飼い猫(ライカという名前を付けられそうになったが祖母が断固として反対したため妥協してソウイチロウという名前になった)が一匹と極平凡な家庭に育つ。
エドワードの実年齢を知っている唯一のクラスメイト。
今は友達止まりだけどいつかは親友と胸を張って言えるようになるのが目標。
図画工作、技術家庭が得意で実は数字と言語は苦手。造る事に喜びを感じる完全な技術者タイプ。


つーか、エルリック兄弟が病弱設定にorz
だってそうじゃないとエドと弟が別々に暮らす理由が、、、理由が離婚になっちゃうし(最初は某兄弟よ同じでその気だったがあの両親を脳裏に浮かべたら絶対に離婚はできねぇって気づいた)。
現在、兄弟は強くなる準備をしているのさ。子どものうちに病気をいっぱいしておいたほうが大人になってからは丈夫になるのさ!!!
そしてやはりハイデリヒが変な子設定。それぐらいぶっ飛んでいて欲しい。じゃないとエドと張り合えんし、エドも興味持たないよ。
「こいつ、うちの弟そっくりだけどおもしろいなぁ~」って思ってるのさ。

9月12日は「宇宙の日」だったのでこんな妄想を書いてみた。
いや、前々から現代パラレルでぜひとも二人にペットボトルロケットを作って貰いたいなぁって思ってたんだけどさ。でもこんなどこか児童小説みたいな内容、だれもハイデリヒとエドワードで書いてくれるなんて 絶 対 に あ り え な い ってことに薄々気づいていたので自分で書きました(切ない)

つーか、この内容のロケットの記述は実体験だったり。あと発射台の記述も書きたかったがこれこそ、子どもがどうやって作るんだっていうものなので。
手作りでは金属や木材などしっかりしたもので作らないとロケットを固定できない、、、。また発射するには空気を利用するのだけれどその空気を抜くのに使う仕組みも自転車のブレーキワイヤーとかバイクの油圧式の何か(部品は実家にHパパンが二輪自動車を解体されたのがたくさん転がっていたから脳内に浮かぶのだけど正式名称を私は知らない)を使うし、、、つーか私らがそれに夢中になっていた時、そんなキットとかそういうもの本当になかったから全部手作りだったんだよ、、、
ネットでいろいろと調べたら今キットとかそういうのが販売されてるのね、、、しかもいつのまにかペットボトルロケット協会なんて出来てるし(爆)
本当に、時代って変わるのね、、、、(遠い目)

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コメント

うわー、かわいい!!!

こんばんは! さやですーww
ものすごく可愛い現パラ、ありがとうございます! 楽しく拝読させていただきました…! コメントはちょっと遅れちゃったけど(13日になっちゃった)(^^ゞ
いや、この設定細部まで練りこまれていていいですね! シリーズで読んでみたいです。ほら、児童書って結構シリーズでだんだんと主人公が成長していくじゃないですか、あんな感じで。
わーわーわーかわいいなーwいいなーww 
楽しいSSを拝読させてくださり、ありがとうございました!!

ひー(驚愕)

ガタガタガタガタガタ
ブルブルブルブルブル

さ、さやさん、読んじゃったのね、、、(遠い目)

お恥ずかしいものをお見せし、かなり恐縮どころかごめんなさい!!!

細部どころか、それで日々夢を見てますからね!ハイデリヒとエドの同級生生活!このあと、同性同士でライバル心というか何かに目覚めてハイデがエドを突き飛ばすという事件があるとかないとか。

大好きな書き手さんに読んでいただけることほど嬉しく恥ずかしいものはありません、、、!
本当にありがとうございます!!!

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