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ある科学者の旅路(プロット) 

ねぇ、おじいさん。
なんでおじいさんは日本にいるの?
おじいさんは日本人ではないでしょう?
だって髪の色が違うもの。瞳の色が違うもの。
なのに、なんでそんなに日本語が上手なの?
おじいさんは外人さんでしょ?
いつから日本にやってきたの?

それはオレの血の繋がらない孫が小さな手を伸ばして。
オレを抱きしめてそうしながらも真っ直ぐにつぶらな黒い瞳を輝かせて聞いてきたことだった。

聞きたいか?と聞いたらとっても!と答えた。
それがオレの新たな旅に向かわせることになったきっかけだ。




ドイツ国内にあるとされたウラニウム爆弾を探しているうちに手遅れになっていた。アルフォンスはさっさと国外へ脱出させておいた。
それはいざという時のための命綱。
アルフォンスをドイツ国外での住民票を得させておき、もしもこの国がやばいことになったら、いやこの国がやばくなっていたのはもっと前からだ。正しくは身に危険が及びそうになったらそこでアルにオレの身柄を引き寄せてもらうのが狙いだった。
アルフォンスは脱出先で、オレの知らない間に結婚した。
(いや、結婚するということは知っていた。結婚する前に手紙で連絡ももらっていたし相手の写真も送られてきていた。ただ、オレはその結婚式に出ることはできなかっただけだ。)
それがドイツを出て、ドイツ以外で国籍を得る手っ取り早い方法だった。
それに、アルが選んだのはかなりのべっぴんさんだった。
最初見たとき、よもや彼女を見つけ出すとはさすがオレの弟と思った。
正直、オレとアルが同時に彼女に会わなくてよかったと思う。
そうしたら、絶対にまた兄弟げんかしていただろう。それも今度こそ兄弟の縁が切れるか切れないかまでの大修羅場になったに違いない。
今回もアルの気持ちを無下にして独断的に決定を下したオレが大敗しただけのことだ。

黒髪の自分には全然似ていない孫のくすくすと笑うほっぺを軽くつねってやった。
ひたひ!とわめく。笑ったお前が悪い。
続けて、続けて!
オレの膝を緩やかに押す。そのリズムはとても懐かしい。

ぽーん!とチャイムが鳴る。
はーい!と一目散に飛んでいく孫。おいおい、誰が来たかわからないのにドア開けるなよ。まぁこの時間ならあいつしかこないだろうが。
教授、また話を聞きに来ました。
すごい汗を滴らせながら多分、最後の教え子となるだろう青年がやってきた。
おー、待ちくたびれたぞ!今な、孫の面倒を押し付けられてこいつと一緒にいてな。こいつが退屈しのぎに昔話を聞きたいというから。お前がもうちょっと遅かったら始めていたぞ?
オレは意地悪にそう言うと青年はたちまち困り顔。
そんなぁ!!!先生酷い!でも始めようとしてただけでしょ?まだ始まってなかったんだ!よかった、よかった。
青年は胸をなでおろし、肩からかけていたカバンを下ろす。
んじゃ、おじゃましまーす!
下ろしたカバンを小脇に挟んでひょいっと靴を脱ぎ捨て入り込む。

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