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鋼、一つの終焉
- 鋼の錬金術師
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さて、お話をしているうちに入場開始。
私は整理番号116番。
150枚配られた整理券のうちの116番。
いろんな意味で諦めの境地。
真ん前で見るのは諦めよう。
んじゃ、どこで?
そこでTさんは言ったのだ。
「最前列!!!」
でも、正直監督と脚本家が来ることがわかっている。
みんな前のほうの席を取ってるかもしれない、、、と。
だから、それはもう運任せ。
どっちにきても、楽しもう。
そう、思っていた。
結果は前のほうの席がちらほらと空いている程度。
特に端の方が2つ席が空いているだけだった。
私は最初前から三番目の席に座った。
けど、前の席が空いていて。
私はこの一輪の赤い花をどうしてもお二人に見ていただきたかった。
だから、少しでも前へ、前へ。
結局前から二列目の席、左端に座った。
Tさんが付き合って一緒に座ってくれた。ちょっとほっとする。
ちなみに、最前列は関係者席。
誰が座るんだろう、きっとアニプレックスやボンズの方、、、と思っていたら。
思っていたら。
あの、本当にゴメンナサイ。
最前列、一番左のはじっこ。
そこに座ったのは、紛れもないあい川さんだったのです、、、。
その隣には水島監督。
え、え、ええええええ!
ちょ、ちょおおおおおおっとぉおおおおお!
観客が座り終えてからステージ左すそから出てこられた巨体。
あー、監督とあい川さんだーーーー!と思っていたらおもむろに私の目の前に、、、座った、、、、。
いや、うそ。
こういうとき、ゲストは後ろの投影機が置いてある部屋とかステージの袖からとか後ろの席でひっそりというのが定番でしょ?!
ああああ。
かなり、動揺。
ちなみに私以上に動揺してたのはTさん。
私が端っこに座ったために彼女が内側になったのですがそれはもう、腕を伸ばせばあい川さんを触れるほど。
「あ、あ、あ。声、声かけていいかな?!」
かなり、興奮。
「あ、でもここで声かけたらパニックになるよね!我慢、我慢!」
彼女は会場がパニックになるという意味で言ったのでしょう。
でも、私は思った。声かけたらTさん、あなたがパニックになるって。
ちなみに多分、あい川さんが「ファンと見るのは怖かったー!後ろからさくっと刺されるんじゃないかって不安で、不安で」という言葉。
・・・・
多分、このTさんと後ろに座ったIさんが私に「その花(一輪の赤花)を刺せ!刺すつもりで投げろ!」と言ってたのでそれが、、、、なんて。
なーんて、違いますよね。違います!
あい川さんは笑い話で話されてただけですし、多分事前にご用意されていたネタです。きっとそうです。
じゃ、ないと、、、。
私らが 笑 え な い !
違うよね?違うよね??
うえええええん!
これ、私の妄想だよね?きっとそうに違いない!
なんて傲慢な妄想なんだ!!!
あい川さんの「ファンと一緒に見るのは怖かった」というのは本当の本心だと思います。確か、前に同じことを言われてたと思います(水島監督だったかもしれないけれど。そしてその時は一緒にがんばったスタッフと一緒に見るのは怖かったと仰っていた)
その後の、「後ろからさくっと刺されるんじゃないか」というのは多分ネタとして言われたと思います。
とても、真剣に言われて次に何を言い出すのかと身構えた途端、そう言われました。
もしかしたらその真剣に語ったのもネタを引き立たせるための演技だったのかもしれないけれど。
どちらか、私にはわからない。
けれど確かにこれだけ。すごく笑わしていただきました。
「一年前の作品だけどこうやって見ていただけて嬉しい」
あい川さんがそう、言われて本当に一年たったのだなぁ、、、と感じた。
正直、この一年はまだまだいろんなイベントがあって。OVAが出て。
なんだかんだ言ってアニメ鋼は続いてたのです。
それが、一年。あぁ、あい川さんにそういわれるととても切ない。
そう、もう一年。そしてあい川さんにとって、これは確かに昔の作品なのだ。
「今日は鋼のことはあまり話さないで新作について・・・」
あぁ、そうだったのだ。もう、あい川さんも水島監督も。
次の作品へ、進んでおられるのだ。
今回の、トークショーは要すればお二人の新作のPRである。
「ははぁ!これのためにやって来たのか!」とその時は思った。
けれど、家に帰ってきて違うと。私は感じた。
お二人は、完全な決別宣言をされにこのトークショーに来られたのではないだろうか。
もう、自分たちから新たな鋼が生み出されることはないということを伝えられるために来たのではないか。
これは、私たちへの最後の手向けだったのではないか。
自分たちは次へ進む。立ち止まっててもいいけど、もしよければ一緒に次の作品を楽しまないかというお誘いだったのではと。
正直に書こう。
私は、鋼を最後に多分アニメから遠ざかると、遠ざかろうと考えていた。
鋼を大事に、大事にして。ずっと大事にして。
一生のうち一度、心も身体も張って大好きだと体現して。
これが青春だと、これを青春にしようと決めていた。
そのあとは、それを大事にして生きていこうと思っていた。
けど。けれど。
監督はアニメが大好きな方である。
あい川さんは作品作りが好きな方だと思う。
その方々は、鋼だけでなく他のアニメも作品も見て欲しい。
好きになってほしい。そう、思っているのではないか。
その他のアニメや作品を見る小さな機会の一つを私に渡してくれたのではないか。
これは、私が勝手に考えたことである。
お二人が「鋼とはかなり違うからみなさんが好きになるとは必ずしもいえないが見ていただけると光栄だ」と言われた。
本当なら、そんなことPRだったら言わない。
普通なら「鋼に少しでも近いところがある、見て!」というだろう。
そういえば、必ず初回は見てもらえるだろうから。
でも、あえてそう言わずにそう言ったのは鋼ファンへの優しさがあるから。鋼を好きでいることはかまわない。でもよければ見てねというのは私には優しさに映る。
だって、本当なら監督にとって鋼は過去の作品で。
今はもう、別の作品があって。その作業が始まっていて。
また、私はそのお二人の言葉がとても紳士に受け止められた。
ここにいるファンは自分たちのファンではない、鋼のファンだということを深く理解されての発言だったと思う。
・・・あぁ、書きたいことが定まらない。
今日は(と言っても既に日付は変わってしまっているが)とても多くのことをあの短いトークショーの中で感じたのだ。
それを、どうにか遺しておかなければという心がはやってちゃんと書けていない、、、その自覚がある。
自覚があるからこそ、流してしまいそうで怖い。
流さないために。流さないために。
- [2006/08/28 03:49]
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